ぱてんとり の 巣

知財と積読消化

流体力学を腐るほど

研究室でやらされたと大学時代の先輩が言っていたが、

その人は理系だったけど、銀行マンになった。

修論はたしかジェット水流の話だったと思う。

 

一方自分は文卒で(まあこの区別に意味ないと思ってる)

なんの因果か企業知財に行って、

ナヴィエストークスの方程式を眺めたりしてる今日(読みこなしてるとは言ってない)

 

分野がら、流体力学は良く出てくるのですよねー

今日読んでた論文は、

数値流体力学computational fluid dynamics(CFD)とかいうやつで

まあシミュレーションとかの論文でした。

 

パン生地こねるミキサーとか、

にょろっと細い棒状のペーストを押し出す機械とか、

まあ泡だて器でもいいんですが、

ラボスケール(キッチンスケール)のものもあれば工場スケールのものもあって、

まあ基本原理って意外と変わらんかったりして。

 

今日読んでた話だと、

ミキサーのタイプによって物質に与える変形が違ってくるということで、

同じエネルギーを与えたとしても、練り混ぜ対象のペーストの性質かわってくると。

ここで、ミキサータイプごとに、どういう力が働くかを定式化しようぜと。

 

(もちろんペースト自体の成分も重要な変数にはなるわけだけど

 とりあえずそれは今回はおいておいて、

 一様の粘性をもって、かつニュートンの粘性法則が成り立つ流体だけ扱う。

 ひずみ速度がせん断応力に比例するというやつだけど、

 実はこれまだ呑み込めてない。

 シリンダに入れた水、空気みたく、理想的で単純な流体をイメージしたら良さそう。

 なお、実はむしろ、世の中の大体の流体って、あるひずみ速度を超えるといきなり粘 っこくなったりと、非ニュートン的な性質を示す場合の方が多いとされてる

 泥にじわじわ指突っ込んでもずぶずぶ行くけど、コケて小指から突っ込んだら

 下手したら突き指しかねないくらい反応が固い、的な現象。)

 

て、注が長いって!!

 

ミキサータイプに話を戻すと、

結論3タイプでシミュレーションしてたんですよ。

タイプ1.二つ軸があって、それぞれ羽がついてる。左が時計回り、右が反時計回りに回る、(+右のほうが若干早く回る)というやつで、まあゴムとか樹脂とか混ぜるのに一般的な動きらしいす。

タイプ2.同じく二軸で羽ついてるんだけど、同じ向きに同じ速度で回るやつ。そうめんをニュルっと押し出すような機械はたぶんこの構成をしてる。ミキサーというかはスクリューのかみ合わせのほうがイメージちかいか。

タイプ3.planetary mixerと言って、まあ泡だて器みたいな感じです。論文にあったのは、ほぼ軸だけ回ってる、みたいなパーツと、泡だて器の先みたいな高速で回るパーツと、分かれてるようなタイプでした。

 

で、

せん断する力(ねじ切るイメージ)、うにょっと伸ばす力、生地と一緒にミキサ回ってるだけの力、

の3つの力を主に想定したときに、

せん断が最強なのがタイプ3で、中間がタイプ1、タイプ2はせん断力はありまへん、

逆に伸ばす力はタイプ2最強よね…

みたいな話が、実際シミュレーションでも定式化されてその通りになりましたで、と

 

まあ、そうだよね。

 

 

という、ブツの目的からしても自明じゃね的な結果が、

さもすげーこと見つけたみたいな感じで10枚くらい書いてあるんす、しかも英語で。

いや確かに、シミュレーションの妙みたいなのがあって、

機械も可動域と静止域で分かれているわ、流体にもクセあるわ、で難しいんですけど。

変数しぼって条件固定してもコンピュータ無しでは計算不可なくらいテクニカルなんだけれども。

一般化できたら、変数いじって非ニュートン流体にも適用できるみたいな展望も書いてあるんだけれども

 

だったら今やれや俺は非ニュートン流体の結果が知りたかったんや

 

Fin.

 

というわけで、

3年後には流体力学専攻の学部研究室の人らと会話できるくらいになってたらいいな