クレームチャートというか
そこまで厳密じゃなくて、
特許性調査で、
こういうの先行例あるのかな、という視点で見るとき。
検索結果を商用DBで落としたCSVに対して、
構成要素A、B、C、D・・・・という項目を立てて、
各要素の○×△と、
全体的な関連度をASBC参考 の5ランクでつける
というやり方をしている。
これは基本的に、どの調査でも共通のフォーマットにしたいと考えている。
特許性調査とはいっても侵害回避の意味合いもあるので、
先行例のクレームに書いてないかはまず読みますし、
クレームに書いてあったら関連度はSとかつけます。
問題は、クレームには直接記載がないけれども、
実施例とかでそういう構成とれるよね、と書いてある場合、
これらすべて気にしていると数が膨大になるので、
チャートに落とし込んでいくときの取捨選択に悩む。
これが無効化資料調査とかで、
無効化の対象の相手方特許が決まっている場合は
対象特許のクレームを要素ごとに切り貼りしていけばいいのだろうけど、
特許性調査の場合、
まだ出願していない自社特許のクレームに対して
仮想的な無効化調査をしているようなものなので、
ここでも「まだ見ぬクレームを作文して想像しましょう」という課題が
出てくるというわけだ…
と、ここまで書いていて、
上位概念でクレームするか下位概念でクレームするかによって、
調査の視点が変わることに気付いた。
というかは、下位概念公知→上位概念の新規性喪失
上位概念公知→下位概念で限定すればワンチャンスあり
という原則を利用する。
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上位概念で表現されている場合
下位概念で表現された発明が示されていることにならないため、
→下位概念で表現された発明は認定できない
※技術常識の参酌によって下位概念で表現された発明が導き出せる場合は認定可能
(審査基準 第III部 第2章 第3節 3.2)
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上記審査基準の原則で考えるなら、
・構成要件Aに関しては下位概念でここまでバリエーション広く知られてるんで
上位概念で広く権利取得するのは難しいです
・構成要件Bは、いま検討している構成をこれ以上具体化した先行例はないので、
このままの抽象度=上位概念でチャレンジしましょう
という試金石にもなるような気がする。
よって、下記方針が導かれる。
・まず「下位概念=具体的記述」を探してみる。
これがぽろぽろ見つかってしまうようだと広いクレームは厳しいので、
隙間を縫えるギリギリを探る。
・下位概念がみつからなければ、抽象度を上げてみる。
例:燻製ピスタチオフレーバー付きのクリームパンを出願したい。
・とりあえず、ゴマ付きアンパンが既に知られてるので
フレーバー付き菓子パン、という上位概念は完全アウトです。
・一方、燻製ピスタチオフレーバーはおろか、ピスタチオフレーバーすらないので、
ここは上位概念=燻製の限定を外す でチャレンジしていいのでは。
・繰り返しですが、ピスタチオフレーバーが知られてないし、
これは付した菓子パンはそもそも知られてません
・ということで、クリームパンに限定するのも悪手では?もったいない
・落としどころは、
請求項1 ピスタチオフレーバーつき菓子パン →チャレンジ
請求項2 前記ピスタチオフレーバーが燻製である菓子パン →ちょっと安牌
請求項3 燻製ピスタチオフレーバー付きクリームパン →最低限、実施態様は保護
というような妄想をしつつ
調査したら楽しいかもしれないから来週からやる
※当ブログは無資格者が勝手なこと言ってるので情報の信ぴょう性は保証しません