ぱてんとり の 巣

知財と積読消化

素材系の製法特許と効果

 素材系の事業をやりましょう、というときに、

製造条件ごとにどんな効果を出せるのか、というのを

一通り把握しておくのは需要がありそう。

 

 自社の製造ラインの特色ゆえ、

他社にくらべてどういう付加価値を出せるか、

という点も気になりそう。

(たとえば、他社よりも高温加工ができる/低温加工ができる/ミクロスケールの加工ができる/マクロスケールの加工ができる)

 

 というわけで、ナノ材料をテーマに、

カーボンナノチューブ(CNT)で試しにやってみようの巻。

 

 経産省でもプロジェクトが立ち上がってた。

 

https://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/juyoukadai/wg_nano/6kai/nano06_shiryo1-6.pdf

https://meti-journal.jp/p/2651-2/

産総研で確立したスーパーグロース法従来法の500倍の長さ、超高密度の合成に成功

連携企業で量産工場を建設し、稼働も開始

とある。

 

 J-Platpat叩いて、

とりあえずタイトル検索と、

請求項に℃の記載があるやつで、だいたい800件。

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記事になってた技術の特許?

 

 該当の特許文献をざっと読んでいると、

混合ガスの温度がXX℃で~

とか、製造条件にかんする記載がある。

 

 製造条件の仕分けは、

一件ずつ読み込んでタグ付けするか、

パラメータ抽出できるテキストマイニング系のソフトウェアを利用するか…

YY法、みたいな、明示された加工法があるのであれば話は楽なのだが。

 

 Fタームも結構優秀。

形状見れば、用途はある程度推測がつくはず。

「数値限定」ていう項目すらあるのね…、まあ審査官の方々も大変だもんね…

 

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PMGC

 どちらかというと、

効果の特定のほうが苦労するかも。

当該特許出願 特開2011-219316も、

「大量生産できます!不純物なくて高品質です!」

的なことは書いてあるけど、

じゃあプロダクトとしての素材が

どういう特性があって…というのは、必ずしも書いてない。

 

別の特許出願 特開2011-236096だと、実施例にちょろっと

1本の内包CNTに注目した場合、アスペクト比の大きい針状構造であることから、微小なナノ電流プローブとして最適な構造である。
さらに、硫化ニッケルについては、リチウムイオン電池の電極の活物質として利用可能である。

 

みたいな記載はあるが。弱いっすな…

 

 テキストマイニングできる環境なら、

実施例で XX電池 とか XXヒーター とか

     ○○性 

みたいな記載を抽出してくるか…

 

 あとは、製法特許と同じ出願人or共同出願人が、

後に具体的な ○○用素材

みたいな出願してないか、とか。

 

 いずれにせよ、ビジネスサイドの問題であって、

特許だけ見てても限界があるかもしれない。

※製法も、ノウハウとして非開示の部分も当然残る…

 

 いずれ、エクセルとKHコーダ(無料のテキストマイニングツール)

で、ここらへん深堀りした結果は作ってみたい気もする。

(やるとは言っていない)

 

おわり